同性カップルの住宅購入のポイント②ペアローン・収入合算のメリット、デメリット、注意点とは?

同性カップルの住宅購入のポイント②ペアローン・収入合算のメリット、デメリット、注意点とは?

同性カップルでもペアローン、収入合算に対応できる金融機関が増えてきました。それぞれのメリットやデメリット、利用時の注意点についてまとめてみました。

同性カップルの住宅購入のポイント【その1】についてはこちらです。

ペアローンとは?

ペアローンとは、1つの物件について夫婦(カップル)それぞれで1本ずつ、計2本のローンを組み、お互いが連帯保証人になる住宅ローンです。


メリット:借入金額を伸ばせるため、1人分の収入では届かないような金額の物件も購入することができ、住宅ローン控除や団体信用生命保険(団信)もそれぞれで受けられます。それぞれ1本ずつのローンになるため、金利タイプや借入期間なども異なるローンを組むこともできます。


デメリット:2本のローンを組むため、ローン事務手数料などの諸費用についても2本分かかります。また、フラット35ではペアローンを利用できない点にも注意が必要です。

収入合算とは?

収入合算とは、住宅ローンの申込者の収入に、一定の収入のある夫婦・親族(パートナー)の収入を合算するものです。それぞれの収入を合算した金額で住宅ローン審査にかけることができます。

ペアローンと異なり、住宅ローンの契約は申込者名義の1本のみとなります。また、収入合算は夫婦・親族(パートナー)の一方が連帯保証人になる連帯保証型か、連帯債務者となる連帯債務型の2種類があります。

■連帯保証型
住宅ローンの申込者の債務について、もう一方が「連帯して保証する」というものです。
何らかの理由で申込者が返済できなくなった場合、もう一方の連帯保証人に返済が求められることになります。また、あくまで債務者は申込者のみとなるため、住宅ローン控除などは申込者しか受けることができず、連帯保証人には担保となる物件の所有権もありません。

■連帯債務型
住宅ローン申込者の債務について、もう一方が「連帯して債務を負う」というものです。
連帯債務者となるため、どちらも返済の義務を負いますが、住宅ローン控除は2人とも受けることができます(団信については原則1名のみです)。また、担保となる物件は共同保有というかたちになります。

メリット:ペアローンと同様、収入合算によって借入金額を伸ばすことができます。


デメリット:連帯保証人・連帯債務者となるため、住宅ローンの返済期間中に万が一別れてしまった場合の残債部分の返済計画について、トラブルになる可能性があります。

利用時の注意点

1.借入金額を伸ばすことのデメリットを理解しておこう
ペアローン・収入合算を利用して借入金額を伸ばすことで、より金額の高い物件にも手が届くようになりますが、毎月の返済の負担も大きくなることに注意しましょう。住宅ローンの返済期間中、転職や病気などで一方の収入が減ってしまうことも十分に考えられ、思わぬタイミングで住宅ローンの返済が生活の大きな負担となってしまうこともあります。


また、返済期間中にパートナーと別れてしまった場合はローンの残債をどちらが負担するかどうかでトラブルになる可能性があります。その場合は物件を売却するのが一般的ですが、売却金額がローンの残債を下回った場合、別の場所に引っ越した後も債務を負担し続けなければなりません。
ペアローン・収入合算の利用時には無理なく返済できる金額であるかどうか、また別れて同棲を解消する際のデメリットについてしっかり検討しましょう。

2.利用条件、必要書類の確認は必須
ペアローン、収入合算の利用時には、金融機関の設けた収入・就労条件などの基準をクリアする必要があります。また、同性カップルの場合はパートナーシップ証明書や、公正証書の提出を求められる場合があります。特に、公正証書については費用が掛かりますので、金融機関ごとに書類を必ず確認しましょう。

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